いや、倒れたのは自分であった。

 

気が付けば身体全体を打った鈍痛と手には亡骸の感触。
背中を押されて棺に落とされた。

 

 

振り向くといつもの顔。

 

夢枕に出て来たエミルと同じ顔の男。

 

僕は小さな悲鳴を上げた。
棺桶から脱出を試みようと思い、仰向けになったのだが、
それから身体が氷のように動かない。

 

 

 

よく見ると男は地面から少し浮いていた。

 

ゆっくりと棺桶の蓋が閉まる。

悲鳴を上げたいのに声が出ない。

吐きそうになる。

冷や汗で背中がじっとりとしている。

 

屍のにおい。

 

僕の顔の横にはとても美しいエミルの顔。

僕の最高傑作。

大好きなアーモンド色の瞳でこちらを見ている。

 

 

 

 

 

 

棺桶は完全に閉じた。

土がかかる音。

亡骸の感触。

亡骸のにおい。

 

 

暗い。まっくらだ ―――――。

 

 

 

 

身をよじった時に見えたエミルの綺麗な顔に、

 

 

 

ベルトみたいに大きなムカデが這っているのが見えた。

 

 

 

END.