一か月後、ようやくエミルの身体が出来上がった。
愛情をたっぷり注いで作り上げた。
ドレスを着せてやって、ブロンドのかつらを着けて毎日、食卓の椅子に座らせている。
食事が楽しくなった。
朝食が終われば外へ出かける。
エミルには「すぐに戻るよ」と優しく声をかけてから家を出る。
僕は実は造形作家である。
ランプシェードをデザインして、生計を立てている。
金持ちは一体何が良いのか分からないようなデザインのものでも
喜んで大金を出して買って行く。
ランプなんて辺りを明るく照らせれば何でも良いのに。
しかし、ランプシェードではない僕の独自の作品は、
あまり理解されない。
作品が売れた事は一度だって無い。
最近の新作はもちろんエミルだが…他人に売る気は毛頭ない。
忘れてはいけない、エミルの頭には人骨が埋め込まれているのだ。
家へ戻ると、エミルに「今戻ったよ」と囁き、アトリエへ連れて行く。
背もたれのある椅子に座らせて、僕の事を一日中みつめさせる。
エミルが完成してからというもの、
今までのひとりぼっちの生活から一転した。
アトリエに座らせて居る時や、
食事のとき、気のせいだと思うがエミルの視線を感じるのだ。
いよいよ僕はおかしくなったのかもしれない。
視線を感じるようになって、決まって同じ夢を見るようになった。