犬が鳴いている。
この耳障りな感じ。聞いた事がある…
いつだったかな…
いつだった…?
「ねぇ、今とても嫌な夢を見たんだ。」
「そのせいで頭の中が気持ち悪いんだ」
「今日のハロウィンパーティーは、1人病欠かな?」
1人がからかうように言いました。
「それってどんな気分なの?」
「頭の中に、たくさんの鳥の羽根が入り込んだような感覚。 ざわざわして気持ち悪いんだ。」
たった今、昼寝から目覚めた彼が あんまり顔をしかめて言うものだから、他の3人は少し深刻に受け止めました。
「どんな夢だった?」
「今はもう思い出せないけど、確か犬が鳴いてた」
そう言われた途端、くつろいでいた2人が急にこちらを向いて言いました。
「その夢なら、僕らも見たよ」
一人が言いました。
「僕が見たのは一週間前。彼が見たのは3日前。」
「あれから僕も左腕が気持ち悪いんだ。妙に暖かくて」
「僕も、右足が暖かいよ。」
すると、残りの一人が一番不機嫌な顔をしました。
「・・・今朝は子猫と踊る夢しか見てない!」
彼だけが唯一、どこも異常をきたしていないのに。